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Blog Telesophia
紛争・災害のTELESOPHIA 活動記録
telesophiaー知を伝うことー
この展示に際して私たちは、1995年1月17日5時46分に起きた阪神淡路大震災のことを調べました。telesophiaのメンバーのなかには、震災を経験していない人、まだ世に生まれていなかった人もいます。地震の被害は甚大でしたが、そのイメージ(記憶)は2017年の現在、ずいぶんと薄れてきているように感じます。
私たちは、7月から始めたこの活動で、いろいろと本を読み、写真や映像を見、また話し合うなかで、被災した方々から話を伺ってそれをなにか形にすることを考えました。それにより自分から「遠い・離れた(=tele)」「大切な知(=sophia)」を想い、それへとにじり寄り、それをわずかでも分有して、後へと継ぐことを―それがいかに素朴であろうとも―志向しました。
この個室のなかには、3組4名の方にお話を伺った「聞き書き」の本が置いてあります。聞き手が「これは伝えたい」と強く思った箇所が文章になっています。自ら語り部を務めることで震災当時の息子の行動を知る母(第1話)、長女を出産した3時間後に産婦人科で被災した夫婦(第2話)、被災地神戸という「その街」のこどもの一人として20年後の自分と向き合う男性(第3話)。
この本は、聞き手の手によって一頁一頁刷られ、紙の糊付から縫合までなされたこの世に一冊しかない書物です。ご清覧下さい。この本の置かれた個室は、紙の建築と震災活動に力を尽くす建築家坂茂さんが開発した災害避難所用間仕切りシステムです(ここにあるのは先の熊本の震災で実際に使用されたものです)。軽くて簡単に組み立てることができ、また部屋のサイズも好きに調整できるこの優れものを、私たちは本を読む部屋にしてみました。
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